猫の避妊・去勢は必要?時期や費用は?手術後の変化や失敗の可能性は?
「猫を飼いたいと思っているけど、何で去勢(避妊)って必要なんだろう?」
「できればお金をかけたくない」
「子猫を出産しているところも見てみたいなぁ」
など、いまいち避妊・去勢の必要性を感じていない人も居るかと思います。
そんなあなたに、猫の避妊・去勢をすることの意味や手術の時期・費用などについて解説します。
また、手術後の体調や性格の変化、手術のリスクについても知っておきましょう!
目次(クリックで移動)
猫の避妊・去勢は本当に必要?
猫のワクチンに関する知識はこちら!
あなたは、「何で去勢(避妊)って必要なんだろう?」と疑問に思っていませんか?
理由は大きく3つあります。
- 子猫を増やさない(産ませない)ため
- 猫の病気を予防するため
- 猫の問題行動を防ぐため
それでは、理由について詳しく見ていきましょう。
そもそも「避妊」と「去勢」の違いって何?
避妊・去勢が必要な理由をお話する前に、まずは言葉の説明から。
◆『避妊』とは・・・
メス猫が子どもを産めないように、卵巣や子宮を摘出することです。
◆『去勢』とは・・・
オス猫の睾丸[コウガン=精巣のこと]を取り除くことを指します。
オス猫・メス猫どちらも「去勢」という言葉を使うこともあるようですが、一般的な認識としては上記の解釈で大丈夫だと思います。
避妊・去勢はどうして必要?
具体的な「3つの理由」を次にまとめました。
必要な理由1:不必要に子猫を増やさないため
猫はふつう、本能にしたがって交尾や出産を行っています。
室内飼いなら交尾の心配はないのではないかと思いそうですが、いつ間違って脱走するか分かりませんよね?
メス猫を飼っていて知らないうちに妊娠したら大変です。
我が家の三姉妹猫も、母親猫と子猫5匹がみんな一緒に公園で捨てられていたそうです。
きっと、予定外の出産で飼えなくなってしまったのでしょう(想像ですが……)。
オス猫であれば、逆に他所の家に迷惑をかけることもあります。
そうならないためにも、メス・オスともに子猫を産めないようにすることには意味があると思います。
必要な理由2:猫の病気を防ぐため
避妊・去勢を行うことにより、以下の様な病気を予防することができると言われています。
メス猫・オス猫それぞれに特有の病気があるんです。
◆避妊手術によって防げるメス猫特有の病気
●子宮蓄膿症
●乳腺腫瘍
●卵巣腫瘍
◆去勢手術によって防げるオス猫特有の病気
●精巣腫瘍
◆メス猫とオス猫共通で予防効果が期待できる病気
●猫免疫不全ウイルス感染症(猫エイズ)
●猫白血病ウイルス感染症
必要な理由3:猫の問題行動(※飼い主視点)を防ぐため
特にオス猫は去勢をしないと、スプレー(なわばり内に自分の匂いを付ける行為)をする可能性が高くなります。
私の実家では昔去勢をしないオス猫を飼っていたそうですが、それはそれは凄い臭いだったとか。まさに「鼻が曲がる」というくらい。
去勢手術を行えば、完全にとは言わないまでもスプレー行為はかなり減らすことができるんです。
また、発情期は夜も眠れないくらい鳴き声を上げる猫が多いようですが、手術によって鳴かなくなるようです。
子猫を産ませたいのなら計画的に!
猫の出産は、必ずしも悪いことではありません。
むしろ出産のお手伝いをすることは飼い主にとって何事にも代え難い経験となるでしょう。
ただし、それは「綿密な出産計画」があってこそ。
繁殖させるかどうかは猫を飼い始める前に決めておくべきです。
なりゆきで繁殖させると捨て猫を増やす結果となってしまいますから。
繁殖の予定がない・もしくはなくなったのであれば避妊・去勢手術をしましょう!
避妊・去勢手術の適切な時期や費用は?
一番気になるのがやはりお金のこと。
大きな病気や怪我を除けば、避妊・去勢手術は一番お金がかかる出来事となります。
一般的には、生後6ヶ月~1年で手術を行う
猫によって時期は違いますが、手術は早くても生後6ヶ月が多いようです。
適切な時期は動物病院に相談してみましょう。
我が家の三姉妹猫は保護猫なので正確な月齢は分かりませんが、ほぼ6ヶ月とされる時期に避妊手術を受けました。
オス猫は入院不要、メス猫は入院することも日帰りもあり
オス猫の去勢手術は睾丸(コウガン)を取り除くだけですので、数十分程度で終わるため日帰りで問題ありません。
メス猫の避妊手術はオス猫と違い、お腹を開いて手術をするため時間がかかります。
入院するかしないかは動物病院の方針や、猫の健康状態でも変わってきますので、しっかりと動物病院の先生と話し合って決めましょう。
費用はメス猫の方がオス猫よりも高い
気になる費用ですが、オス猫は1万円~2万円で殆ど違いはないと思います。
メス猫は開腹手術になるため、オス猫よりも高額になるのですが、手術の内容によっても変わってきます。
安くても2万円、高いところでは5万円以上かかる病院もあるようです。入院すればもちろん入院費もかかりますね。
我が家の三姉妹猫は元飼い主さんが手術をしてから引き取ったのですが、一匹2万円くらいだったようです。
因みに一匹が“出べそ”だったのですが、母の希望で避妊手術と一緒に除去手術をしてもらいました(※もちろん別料金かかります)。
避妊・去勢後は体調や性格に変化が出る?
避妊・去勢手術を行うと猫の性格は変わるのか心配になりませんか?
大丈夫です!!
メス猫、オス猫ともに確かに性格が変わることはありますが、飼い主さんがきちんと猫の様子を気にかけてあげれば問題になることはありません。
それでは手術後の猫の変化について詳しく見ていきましょう。
メス猫は母性本能が残ったまま?
「避妊手術をすると母性が無くなるのではないか?」と思っている人も居るかもしれません。
我が家の三姉妹猫を見る限り、卵巣や子宮が無くなっても母性本能は変わらずに残っていると思います。
その母性本能を感じた動画がこちらです↓↓
手前の黒い方がリン、白っぽい方がラムです。
一見二人ともおっぱいフミフミし合っているようにも見えるのですが、よくよく見るとラムの方がリンの身体を一生懸命ペロペロと舐めてあげているんです。
しかも顔が幸せそうで母性に溢れていました(*^_^*)
元々の個性もあるとは思うのですが、少なくとも避妊=母性が消えるということはなさそうです。
オス猫は性格がまるくなる&甘えん坊になる?
オス猫を飼ったことはありませんが、多くのオス猫が去勢後に「甘えん坊になった」という話を聞きます。
私が以前働いていた農家さんでもオス猫を放し飼いにしていましたが、去勢していたためなのかとても穏やかで他の野良猫にも優しく、そして甘えん坊でした。
もし去勢していなければ大喧嘩になっていたかもしれません。
ただ、手術直後は病院で身体の匂いが変わってしまったために、同居の飼い猫と喧嘩してしまうこともあるそうですので、手術から帰宅した日は十分気を付けてあげましょう。
メス猫もオス猫も太りやすくなる?
一般的な傾向として、避妊・去勢を行うと太りやすくなると言われています。
しかしあくまでも「可能性が高い」ということであって、全ての猫が太るわけではありません。
太る原因は諸説ありますが(ホルモンバランスの変化、性欲の減少など)、結局の所『必要以上に食べ過ぎるから太る』ということのようです。
逆に考えれば、適切な量を食べさせれば良いということですね。
私は里親猫を仲介してくれた猫カフェのスタッフから、手術後は子猫用ではなく成猫用のキャットフードを食べさせて下さいと言われました。
「避妊・去勢手術後の猫用」と書いているものや、「1歳以上」と書かれているキャットフードを選べば良いと思います。
他に大事なのは運動!
食べる量にしろ運動にしろ、飼い主さんが気を付けてあげるしかありません。
食べさせすぎたかな?と思ったらいっぱい遊んであげて下さいね^^
猫の避妊・去勢手術の失敗(リスク)の可能性は?
避妊・去勢といえども、「手術」というのは当然リスクや医療ミスが伴います。
どのような症例があるのか見ていきましょう。
◆手術の失敗(医療ミス)と考えられること
●卵巣の取り残し
通常、避妊手術後は「発情」しなくなるものですが、卵巣の取り残しによって発情が残ってしまうことがあるそうです。
●尿管の損傷
尿管は子宮のそばにあるため、ごく稀に傷つけてしまう場合があるようです。
●麻酔事故
避妊手術には全身麻酔を行いますが、「心不全」や「呼吸不全」などの症状を起こすことがあります。
最悪の場合は死に至ることもあります。
◆医療ミスではないが猫の負担になること
●興奮して自分自身を傷つける
動物病院に行くだけで興奮したり、手術後に麻酔から覚めて突然暴れ出す猫もいるため、注意が必要です。
●実は避妊手術済みだった
捨て猫など過去の状態が分からない場合、開腹してから手術済みだったと判明することがあります。
避妊・去勢手術は獣医師さんにとっては馴染みの深い手術だと思いますので、「医療ミス」の可能性は非常に低いと思います。
しかし「100%大丈夫は有り得ない」という事実を頭に入れておくことも大切ですね。
まとめ
猫の費用に関するまとめはこちら!
- 避妊・去勢はできる限り行った方が良く、子猫の出産は計画的に
- 避妊・去勢手術の時期は一般的に生後6ヶ月~1年、動物病院に相談しよう
- メス猫の手術の方がオス猫の手術よりも値段は高い
- 手術後に性格や体調が変わることがある、特に体重管理は飼い主が行うこと
- 手術には失敗・リスクが伴うことも頭に入れておく
いかがでしたか?
行き場を無くすような不幸な猫を少しでも減らすために、猫の避妊・去勢はできるだけ行っていきましょうね!
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